「最初の一歩」でつまずかないために
Claude Cowork(コワーク)や Claude Code は、業務に AI を組み込む際の有力な選択肢です。ただ、ブラウザ版 Claude しか触ったことがない方にとって、デスクトップアプリの導入と設定は最初のハードルになります。
本稿では Windows 環境を前提に、何も入っていない状態から本番運用までを完了させる手順を整理します。Mac でも基本的な流れは同じですが、コマンド名や前提ツールが一部異なる点はご了承ください。
※ 本稿は 2026 年 5 月時点の情報です。Anthropic の機能アップデートにより画面・項目名は変わる可能性があります。最新情報は公式ドキュメントをご確認ください。
Step 0: 前提知識の整理
最初に押さえておくべき 2 点:
- ブラウザ版 Claude では Cowork / Code は使えない。理由は、自分の PC のファイル・フォルダを操作するため、デスクトップアプリが必須。
- Cowork と Code は別物。同じデスクトップアプリ内のタブで切り替えるが、特性が異なる(後述の使い分けを参照)。
Step 1: デスクトップアプリのインストール(5 分)
- ブラウザで Claude.ai を開きログイン
- 左メニュー下部の「ダウンロード」ボタン → Windows 版を選択
- ダウンロードした
.exeファイルを実行 - インストール完了後、デスクトップアプリが起動
- Google アカウント等で認証
ここまでで、デスクトップアプリでの Cowork は即使える状態です。
Step 2: Claude Cowork の基本操作
Cowork は「家で働く AI(見た目分かりやすい版)」です。
初回操作
- デスクトップアプリ上部メニューで「Cowork」を選択
- 「プロジェクト作業」欄でフォルダを選択
- 初回は許可ダイアログが出るので「常に許可」を選択
- 拡張機能のオン/オフ、AI モデル(Sonnet / Opus)を選択
- 依頼を入力 → 実行
画面構成の特徴
- 左ペイン: 進行状況・使用ツール・対象ファイル一覧
- 中央: チャット画面
- 右ペイン: 作成したファイルを直接プレビュー(後述する Code にはない強み)
「右ペインで成果物がそのまま見える」のが Cowork の見た目上の最大の利点です。
よくある初回つまずき
- エラーで起動しない: Cowork は初回起動時にワークスペースのセットアップを行うため、数十秒〜数分待つ
- ファイルが書き込めない: フォルダ選択時に「常に許可」を選んでいない場合、毎回確認ダイアログが出る
Step 3: Claude Code を使うための前提インストール
Code は「家で働く AI(安定性・拡張性重視版)」です。Cowork より高機能ですが、いくつかの前提ツールが必要です。
Git for Windows のインストール(強く推奨)
Code はバージョン管理ツール Git を前提として動作します。公式は「recommended」と表記しており、Git がない場合は PowerShell をシェルツールとしてフォールバック利用できますが、機能制約が大きく出ます。実用上は事実上必須です。Windows には標準で入っていないため、以下からインストールします。
- Git for Windows 公式
- 自分の CPU に合わせて x64 版または arm64 版を選択
- インストール画面は標準オプションのまま「Next」連打で OK
インストール完了後、Claude デスクトップアプリを 左上「ファイル」→「終了」で完全終了 → 再起動します(ウィンドウを閉じるだけでは不十分なケースあり)。
Python / Node.js / UV について
これらは Code を本格運用する際に必要になりますが、最初に手動で全部入れる必要はありません。Code に作業を依頼すると、必要なタイミングで「インストールしますか?」と聞いてくれます。
ただし、後述する UV(Python パッケージ管理ツール)の使用 を最初にグローバル設定で指定しておくと、PC 環境を汚さない安全運用ができます(詳細は別記事「UV と Bypass モードによる安全設計」 を参照)。
Step 4: Claude Code の基本操作
- デスクトップアプリ上部メニューで「Claude Code」を選択
- ローカル環境を選択(GitHub 連携のクラウド環境もあるが、まずはローカル)
- フォルダを選択 → そのフォルダ内で作業
- AI モデル選択(Sonnet が標準、1M コンテキスト対応モデルも選択可)
- 依頼を入力 → 実行
Cowork との UI 上の違い
- 右ペインで成果物プレビューは ない
- プロジェクト機能は ない(フォルダ管理のみ)
- 代わりに 動作の安定性・コンテキスト容量・確認モードの選択肢 で優位
Step 5: 設定の 3 層構造
Cowork も Code も、設定が 3 階層で適用される仕組みです。これを理解すると依頼が劇的に楽になります。
| 層 | 設定場所 | 適用範囲 |
|---|---|---|
| グローバル設定 | Cowork: 設定画面の GUI / Code: C:\Users\{user}\.claude\CLAUDE.md | 全セッション |
| プロジェクト設定 | プロジェクト機能(Cowork のみ) | プロジェクト内 |
フォルダ内 CLAUDE.md | フォルダ内に配置 | そのフォルダで作業時 |
新しいセッションを開始すると、これら 3 層が自動で読み込まれます。
推奨グローバル設定例
話し方はカジュアル・端的に。
作業内容や仕組みは CLAUDE.md にまとめてアップデートして。
作業経過は PROGRESS.md にまとめておいて。
作業スタート時は CLAUDE.md と PROGRESS.md を毎回読み込んで。
Python ツールをインストールする時は必ず UV を使って。
環境汚染が懸念される操作は分かりやすい説明と共に確認して。
これだけで、全セッションで一貫した動作と安全性が確保されます。
フォルダごとの CLAUDE.md 例
特定のフォルダで毎回同じ手順を取らせたい場合、そのフォルダに CLAUDE.md を置きます。
例: 企業情報リサーチ用フォルダの CLAUDE.md
このフォルダでは指定された企業について以下のフォーマットでまとめる:
1. 会社概要(事業内容・所在地・規模)
2. 主要サービス
3. 直近のニュース 3 件
4. 競合との差別化ポイント
出典 URL を必ず併記すること。
これがあれば、新しいタスクで「メンバーズについて調べて」と依頼するだけで、毎回同じフォーマットで成果物が出ます。
Step 6: 外部ツール接続(Connectors)
Cowork / Code 共通で、Slack・Google Calendar・Notion 等の外部サービスに接続できます。
- カスタマイズ → コネクター → 「+追加」
- サービスを選択(公式対応一覧から)
- OAuth 認証で許可
接続後、Claude が代わりにそのサービスを操作してデータ取得・書き込み可能になります。「今日のカレンダー予定をまとめて」「Notion のニュース DB から AI 関連を抽出して」のような自然言語で操作できるようになります。
Step 7: スケジュール実行
Cowork / Code 両方で「予定済みタスク」機能が利用できます。
- 毎朝 9 時、毎日、平日、時間単位等の繰り返し実行
- マニュアル実行ボタンも併用可能
- Code 側ではスケジュール実行時に Bypass モード(確認スキップ)を併用可能
例: 「毎朝 8 時に、関西の AI 企業の新規ニュースをまとめて Notion に追記」を仕込んでおく、といった運用が成立します。
Cowork と Code の使い分け
両者の特性を整理すると、以下のような使い分けが現実的です。
| 観点 | Cowork | Code |
|---|---|---|
| 見た目分かりやすさ | ◎ 右ペインで成果物プレビュー | △ チャットのみ |
| プロジェクト管理 | ◎ プロジェクト機能あり | △ フォルダ管理のみ |
| リモートからのタスク投入 | ◎ Dispatch 機能(PC 常駐型の永続エージェント、スマホからのタスク投入も可能) | △ |
| 動作の安定性 | ○ | ◎ |
| コンテキスト容量 | 標準 | ◎ 1M トークン対応モデルあり |
| Bypass モード(確認スキップ) | △(明示的な GUI 設定なし) | ◎ |
| 業務自動化・仕組み構築 | △ 簡易 | ◎ 圧倒的に向く |
推奨使い分け
- Cowork: 日常のちょっとした作業、レポート閲覧、見た目重視のクライアント向けデモ
- Code: 業務プロセス自動化、仕組み構築、定期実行、本格運用
つまずきやすいポイント 3 つ
1. 「フォルダを選択」を忘れる
Cowork も Code も、フォルダを指定しないと作業範囲が定まりません。新規タスク開始時は必ずフォルダを選択する習慣をつけます。
2. グローバル CLAUDE.md が読まれていない
セッション開始時に自動読み込みされますが、セッション開始後に書いた設定は反映されない点に注意。設定を変えたら新しいセッションを開く必要があります。
3. 「常に許可」をどこまで広げるか
「常に許可」は便利ですが、機密度の高いフォルダに対しては慎重に。最初は確認ダイアログを煩わしくても残し、慣れてから絞り込むのが安全です。
Optiens の取り組み
Optiens では、自社の経営オペレーション全般を Claude Code で運用しています。社内エージェント体制(COO・CMO・CTO・CFO・CSO・CRO)の指示分配、ブログ記事執筆、補助金情報のモニタリング、IoT 水耕栽培の運用補助まで、すべてデスクトップアプリの Claude Code 経由で実行しています。
御社の業務に Claude Cowork / Code を組み込む構成案は、無料 AI 活用診断 でご相談ください。具体的なセットアップ伴走・グローバル CLAUDE.md 設計まで含めた個別提案は 詳細レポート(¥5,500税込) でお届けします。
まとめ
- ブラウザ版 Claude では Cowork / Code は使えない、デスクトップアプリ必須
- Cowork は見た目重視・プロジェクト機能あり、日常のちょっとした作業に最適
- Code は安定性・1M コンテキスト・Bypass モードで業務自動化に最適
- Code を使うには Git for Windows の事前インストールが必要
- 設定は 3 層構造(グローバル / プロジェクト / フォルダ内
CLAUDE.md)で動く - 外部ツール接続(Connectors)・スケジュール実行で本格運用に拡張できる
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出典:
- Anthropic 公式ドキュメント(2026 年 5 月時点)
- Optiens 自社運用知見