Claude Code の Plan モードで「壁打ち」する実践手順 ── トークン浪費と事故を同時に防ぐ


Claude Code の Plan モードで「壁打ち」する実践手順 ── トークン浪費と事故を同時に防ぐ

「いきなり実装」が事故を生む

Claude Code を使い始めた中小事業者の方から「途中で方向性が違うことに気づいて、何時間もかけた作業を捨てる羽目になった」というご相談を多くいただきます。

これは「いきなり実装」させているのが原因です。Anthropic は Claude Code に Plan モード という「実装前に計画だけ提示してユーザー承認を待つ」機能を公式に提供しています。本稿では、これを単なる安全弁ではなく 「壁打ち相手」として使い倒す ための実践手順を整理します。

※ 本稿は 2026 年 5 月時点の情報です。Claude Code の機能は更新されるため、最新仕様は公式ドキュメントでご確認ください。


Plan モードとは

Claude Code には パーミッションモード という概念があり、Plan モードはその一種です。Plan モードでは:

  • AI は 計画だけを提示 し、ファイル編集・コマンド実行は行わない
  • ユーザーが計画を承認した後、初めて実装に進む
  • まずい計画なら実装前に修正できる
  • トークン消費は計画提示分のみで、無駄な実装トークンを浪費しない

なぜ今これを押さえるべきか

  • AI のミスは人間より速いスピードで広がる(既存ファイル上書き・git 操作・DB 操作)
  • 実装後の手戻りはトークン消費 2〜3 倍
  • 中小事業者は失敗できない(事業計画書・補助金申請書・本番環境)

「壁打ち」としての使い方

Plan モードは「やってもらう前の確認」だけでなく、設計の議論相手 として使うことに本質的価値があります。

仕組みの理解

段階通常の Claude CodePlan モード活用
指示「X を実装して」「X を実装する計画を立てて。論点も整理して」
AI 動作即座に実装開始計画提示・論点提示で停止
ユーザー結果を見て修正指示計画段階で軌道修正
結果トークン消費大・手戻り多トークン消費少・1 発で精度高い

動作の流れ

  1. Plan モードに切り替え: コマンドパレット or 設定で Plan モード有効化
  2. タスクを依頼: 「X を実装する計画を立てて」
  3. 計画レビュー: AI が手順・影響範囲・リスクを提示
  4. 議論: 「この手順だと Y が壊れない?」「Z の場合はどうする?」
  5. 承認: 計画 OK なら実装許可、修正必要なら計画修正
  6. 実装実行: 承認後に AI が実装

実装手順

Step 1: いつ Plan モードを使うかの境界線を決める

すべての作業で Plan モードを使うと作業効率が落ちます。Optiens では以下の境界線で運用しています。

Plan モード必須

  • ファイル削除・git push --forcerm
  • データベース destructive 操作(DROP / TRUNCATE / 大量 DELETE)
  • 本番環境設定変更(Vercel・Supabase・Google Cloud)
  • 事業計画書・補助金申請書・公開ページの修正
  • 0 → 1 構築(新規ページ・新規サービス・新規コンポーネント)

Plan モード省略可

  • 軽微な編集(文言修正・タイポ修正・コメント追加)
  • ローカル環境の試行錯誤
  • 既存テストの修正

Step 2: 効果的な Plan モード起動プロンプト

「X して」だけでなく、論点を引き出すプロンプトで質を上げます。

基本形

Plan モードで X を実装する計画を立てて。
以下を含めて:
- 実施手順(番号付き)
- 影響を受けるファイル・データ・設定
- 想定されるリスク 3 つ
- リスク回避の代替案

設計議論用

Plan モードで X を設計して。
2〜3 案を比較表で提示して、それぞれの
- 工数
- 保守性
- 拡張性
- 想定リスク
を評価して。私が選んだ案で実装計画を詳細化して。

既存コード改修用

Plan モードで X を改修したい。
まず現状の動作・依存関係を調査して、
どのファイルを変更すべきか・既存テストへの影響・
後方互換性の確保方針を提示して。

Step 3: 計画レビュー時のチェックリスト

AI が出した計画を承認する前に、以下を確認します。

項目チェックポイント
影響範囲想定外のファイル・サービスに触れていないか
不可逆性元に戻せない操作(削除・上書き)が含まれないか
出力形式期待する形式と一致しているか
エラー処理失敗時の挙動が定義されているか
副作用関連機能への影響が見落とされていないか

Step 4: 計画修正の効果的な指示

不完全な計画を捨てて再依頼するより、部分修正で詰める 方が効率的です。

計画の Step 3 ですが、A の場合は処理が分岐するはずです。
分岐を追加して計画を更新してください。
それ以外の手順はそのままで OK です。

Step 5: 実装承認とその後

承認は明示的に:「この計画で実装を進めてください」

実装中も AI が想定外の状況に遭遇した場合は、Plan モードに自動的に戻る のが理想ですが、そう動かないツールもあります。重要な操作の前に確認を求めるよう、CLAUDE.md などに記載しておくと安全です。


つまずきやすいポイント

1. Plan モードに切り替えたつもりが切り替わっていない

ツールによって切替方法が異なります。Cursor の Plan モード、Claude Code のパーミッションモード(Shift+Tab で循環切替・/plan プレフィックス・--permission-mode plan 起動オプション・.claude/settings.jsondefaultMode 設定)、Cline の Plan / Act など、実装が違います。現在のモードを画面表示で必ず確認 してから依頼してください。

2. 計画の「曖昧な部分」を承認してしまう

「適切なエラー処理を追加する」「必要なテストを書く」のような曖昧な記述は危険です。具体的な処理内容・テストケースまで詰めてから 承認します。

3. 「Plan モードでお願い」と言うだけで安心してしまう

Plan モードで提示された計画が 本当に正しいか はユーザーが評価する必要があります。AI に「この計画で問題ない?」と聞いて「はい」と返ってきても、それは保証ではありません。


発展編:複雑な 0→1 構築での「Plan モード壁打ち」

新サービス・新機能の 0→1 構築では、Plan モードで 複数回の壁打ち を経て計画を熟成させます。

推奨フロー

  1. 概念整理: 「X というサービスを作りたい。要件・ユーザー像・成功条件を整理して」
  2. アーキテクチャ提案: 「上記要件で 3 つのアーキテクチャ案を比較表で」
  3. 詳細設計: 「選んだ案で、データモデル・API 設計・UI 構成を提案」
  4. 実装計画: 「実装手順を Step 1〜N で提示。各 Step の見積も含めて」
  5. リスク評価: 「上記計画のリスク 5 つ・代替案・回避策を整理」
  6. 実装承認: 計画全体が固まったら実装許可

このフローを踏むと、実装で大きな手戻りが起きません。Optiens 自社サービス(無料 AI 活用診断・小説推敲ツール等)の構築でも同フローを採用しています。


Optiens の取り組み

Optiens では CLAUDE.md で Plan モード必須の境界線を明文化し、社内エージェント体制(COO・CMO・CTO・CFO・CSO・CRO)の指示分配でも Plan モードを標準フローに組み込んでいます。重要操作前に必ず計画提示・承認を経るため、これまでファイル誤削除・本番環境への誤適用などの事故ゼロで運用できています。

御社で Claude Code の業務導入を検討されている場合、本稿の Plan モード活用ルールを 社内向け運用ガイドライン として整備する 無料 AI 活用診断 をご用意しています。具体的な CLAUDE.md テンプレート・社内研修資料の作成は 詳細レポート(¥5,500税込) でお届けします。


まとめ

  • Plan モードは「実装前の安全弁」+「設計の議論相手」
  • 全作業ではなく境界線を引く(削除・本番・公開資料は必須、軽微編集は省略可)
  • プロンプトに「リスク 3 つ」「代替案」を含めると質が上がる
  • 計画の曖昧な部分は承認前に詰める
  • 0→1 構築では 5〜6 回の壁打ちで計画を熟成させる

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出典: